2017年1月31日火曜日

人物画を優しく描こう その5


 「ぼかし気味」の優しい人物画・・・着色編です。僕の場合、鉛筆で下書きに濃淡がついていても、かまわず上から絵の具で濃淡をもう一度つけていきます。それは鉛筆の白黒の陰に色の深みをつけることが目的なのですが、その段階で場合によっては筆のラインが強く出すぎることが往々にしてあります。
 そこで今回は明暗は鉛筆の線生かしほとんど素材の色だけを重ねるようにしました。筆跡はほとんど残しません。うすくぼかすように色を置いてゆきます。ですから近くで見ると鉛筆の線がけっこうラフに残っているのですが、あくまで全体の調子を大事にし、細かな線は気にしないことにします。
 背景も同様にしてうすい色を、水をたっぷりと含ませた筆で重ねます。背景色はオーソドックスに茶色にしましたが、ぼかし気味の絵ではちょっと単調になりすぎたので、画面の下半分にグリーンを加えました。画面に奥行きが出て人物が浮かび上がる効果があったようです。
 これで完成。今回の「優しい人物画」いかがでしたか?皆さんのご意見をお待ちしています。


2017年1月29日日曜日

人物画を優しく描こう その4


 優しい人物画を描こう・・・今回のテーマは「ぼかし気味に」です。前回のように人物の表情にこだわろうと思うと、どうしても顔を克明にはっきりと描きたくなります。それは一方で人物に「見られているような気がして飾る気がしない」というようなマイナスの感想を生むことにもなります。そこで今回はあえて表情をぼかし、画面全体の優しい雰囲気を表現することにチャレンジしてみます。
 幸い今日のモデルさんは大柄で目鼻立ちの整った人。細かな表情にこだわらなくてもいい雰囲気が出せそうです。
 いつものように、まず鉛筆でデッサンしますが、いつもと違うのは、
・顔を描き過ぎないこと。極端に言えば眼、鼻、口の位置がわかる程度で。
・「線の表現」をせず、4HからHBまでの薄目の鉛筆の影の濃淡で全体を表現すること。
 そんな感じで一通り描き、全体を眺めると、さすがにぼんやりしすぎてちょっと絵としては不満が残ります。そこで髪の毛の濃い部分、首や脇の一番濃い影の部分、手足の明るい部分の背景となるところだけアクセントとして4Bを使います。これで下描き(上図)は完成です。
 色塗りのポイントは次回に。