2017年10月19日木曜日

夏を描く その3

今回のモデルさんはノースリーブに麦藁帽子。衣装もポーズも夏らしくて申し分ありません。
例によってまずは鉛筆でデッサンします。肩や腕の曲線と色白の肌が印象的だったのでなるべく柔らかい線で、肌の部分には濃い線を重ねすぎないようにします。ここまでで約2時間。

続いて着彩です。肌色はいつもよりも薄めに、画用紙の白さを生かすように仕上げます。バックは白っぽい肌の曲線を強調するために、シンプルにグレーでまとめてみました。
実は今回はこの段階で友人に貴重なアドバイスをもらいました。
一つは腕や肩のラインを強調し過ぎたせいか、左腕が女性らしくないというもの。なるほど肩から腕にかけての筋肉が不自然…。
もう一つはバックが暗すぎると言う意見。なるほど、僕が目指す「優しい絵」に相応しくない…。持つべきものは友達です。
さてそこでまたまたバックを修正することに。ただしシンプルな表現とすること、人物を引き立てる配色とするという方針は守ることにします。前回は「避暑地の高原」というテーマでバックをまとめましたが、今回はもっと抽象的に、でも明るい夏のイメージだけは出したいと考えました。そこで画面の左上部分の鉛筆を練りゴムでごしごしと落とします。明るくなりました。そこに水をたっぷり含ませたブルーをぼかして塗ります。そのほかの部分はレモンイエローとビリジアンを濃い目に鉛筆の明暗と調和させながら置いていくようにします。細かな背景は描きません。見る人に夏の空と緑を連想してもらうことにしましょう。そうそう、指摘された腕も女性らしく見えるように修正して。
夏の女性・・・完成です。