2013年10月27日日曜日

花の都 フィレンツェ


狭い路地から仰ぎ見るドゥオモの「鐘楼」はいわば、道に迷った旅人の「救い」のシンボル。
そしてブルネレスキが設計したという有名な「クーポラ」はまさにルネサンスが開花した「花の都フィレンツェ」のシンボルそのもの。

でその全体像を描くには、巨大すぎて、スケッチブックにおさまりません。この町の街路は狭すぎるようです。
そこで美しい「クーポラ」を描くために、ヴェッキオ橋を渡ってピッティ宮へ、さらに裏庭というにはあまりに広大なボーボリ公園へ。
見晴らしのよいところを求めて、歩くこと1時間、あの丘に上れば・・・という僕の予感は見事に的中。
ご覧のように、左からドゥオモの鐘楼、クーポラの全景はもちろん、ヴェッキオ宮とサンタ・クローチェ教会の塔も見えます。いわばフィレンツェの役者が勢ぞろいといったところ。

舞台の背景は広大な青い空。
ゆっくりと流れる白い雲は時を忘れさせる不思議な小道具でしょうか。
何百年も変わらぬ光景。
夢中でペンを走らせていた僕と同じ場所で
同じ光景を描いていたルネサンスの芸術家がきっといたに違いありません。

2013年10月13日日曜日

コロッセオ

今日がローマ滞在最後の日。
夕刻にはフィレンツェ行きの列車に乗らねばなりません。
またまた急ぎ足の旅の始まりです。

最初のスケッチはあまりに有名なコロッセオ。
その存在感。見る人を圧倒するフォルム。
精密に組み上げられた巨大な石の塊。
柱にも壁にもあちこちに削ぎとられたような窪みが残っています。
降り注ぐ雨が石を溶かしたのか、闘う人が破壊したのか、いずれにしても、2000年の時が刻まれた証拠にちがいありません。

気分よく描き終え、フォロ・ロマーノで次のスケッチをしようとしたとき、気がつきました。
ペンケースが無い!
真っ青になり、必死に探すも、無駄な努力でした。
どうする・・・・さんざん悩んだ末、今日は観光のみと決心。
かくしてローマ3日目の成果はこの一枚のみとなってしまいました。
残念。

さて市の中心部に戻って、列車を待つ間、明日使うペンをあちこち探し求めましたが、店頭に並ぶのは事務用、お土産用のおしゃれな水性のペンばかり。欲しいペンはとうとう手に入りませんでした。
日本ではどこにでもある、スケッチ用の油性サインペンがこんなに貴重品だったとは・・・・。

悩んでもしょうがない。明日考えよう。
こんな時でも楽天的に考えられるのが僕のよいところです。
結末はまた来週に。

2013年10月6日日曜日

スペイン広場

この日は本当によく歩きました。

ナヴォーナ広場を抜けてパンテオンへ。内部は人の頭しか見えません。
当然、スケッチブックは閉じたまま。

さらに有名なトレビの泉へ。
観光客がひしめいていて絵を描くどころか、とても泉には近づけません。

そしてこれまた有名なスペイン広場へ。
大階段は何をしているのか、階段に座り込む人があふれて、近づく気になりません。

広場の前の道をまっすぐに抜けるとやっと、やっとポポロ広場に到着です。
事前の計画ではこの広場の「双子教会」を描くつもりでした。残念ながら、たぶん改修工事のせいでしょうか、細部がちょっとお粗末で創作意欲喪失・・・。僕も贅沢になったものです。

そこで今度はボルゲーゼ公園を経由してトリニタ・デイ・モンティ教会へ向かうことにしました。
実はこの教会の下が先程通ったスペイン広場。
教会の一番かっこよく見える場所を求めて大階段を降りることに。
幸いなことに、ちょうどこのとき広場でお祭り(?)が始まり、階段に座っていた人たちは一斉にそちらに移動。
その一瞬の隙をついてスケッチしたのがこの絵です。
描き終えたとき、さすがにもう足と腰は麻痺状態・・・帰ろう!ビールが待っている。