2012年7月29日日曜日

室生寺 五重塔

大野寺から15分ほどバスに乗り室生寺へ。
お目当てはもちろん国宝、「五重塔」。

室生川を渡り、金堂、本堂を横目に、奥の院へ進みます。
すると重厚な石段が誘う視線の先に五重塔が現れます。

道の両脇は巨木で囲まれ、視界はすべて緑色。
緩やかな弧を描く五層の屋根が浮かぶ様はそれだけで目を惹きます。
しかも、ぱっかりあいた葉のすきまからこぼれ落ちる光がちょうど屋根の一番上を照らします。

どこまでが人の演出?
どこまでが自然の偶然?
どこまでが仏の意思?

高さ16メートルの小さな塔が作り出す不思議な世界に感動です。

2012年7月22日日曜日

大野 崖仏

近鉄で長谷寺からもう二駅、電車に乗ると「室生口大野駅」に到着します。
名前の通り大野寺と室生寺への玄関口です。

大野寺へは駅から南へ5分ほど。
駅の名前を冠するくらいだからさぞかし立派な寺に違いないと期待していましたが、行って見るとなんと言うことはない小ぶりな古寺。

それでも何かしら魅かれるものを感じて奥へ歩いていくと小さなお堂の向こうに人影が。
どうやら僕の同類らしく、スケッチブックを片手に製作中・・・その視線の先にあるのは川向こう、正面にあるこの石仏。
崖を削って創ったこの巨大な造形、パンフレットによれば出来たのは鎌倉時代、高さは13.65メートルもあります。

こんな場所に、いったいどうやって・・・またしても昔の人の信仰心とパワーに脱帽です。

2012年7月15日日曜日

長谷寺の登楼

先々週、長谷寺の特徴は「登楼」であると書きました。

しかしあたりまえですが、その下を歩いていると外観は見えず、参道を外れると深い木立に隠れてやはりその姿を見ることはできません。

登楼がまともに、見えるところは無いのか!と実は少々いらついていたのですが、あきらめかけて帰ろうとしていたその矢先、この風景を見つけました。

林の中に佇むお堂たちの中を掻き分けるようにして登っていく屋根が実にダイナミックです。
祈りの空間への架け橋であることを強調しているのかもしれません。

そしてスケッチ完了。
あとはこの階段を降りるだけ・・・明日からの日常が待っています。

2012年7月8日日曜日

長谷寺の舞台から

ここは長谷寺 本堂の舞台。
高さも大きさも絶景も、本家清水の舞台」に負けていません。

眼下に広がるのはこの寺のお堂の数々。
みな地形に合わせて建てられたのでしょうか、ご覧のように屋根の向きは全部ばらばらです。
おかげで、屋根と森は微妙にかばいあって、この山全体がお寺であることを主張しています。

向こうに見えるのは長谷寺温泉郷の森、さらに谷を隔てて竜門の山並みが続きます。
人里は見えず、見渡す限り山ばかり・・・「祈り」の空間がここにあります。

2012年7月1日日曜日

長谷寺

2012.6.1 
奈良の長谷寺を訪れました。
山の辺の道の出発点だった桜井からは二駅ほど向こうにあります。
言わずと知れた有名なお寺で、特に女性に人気があるようです。
この日は快晴で、大混雑を覚悟しましたが、意外なことに人影はまばら。
それもそのはず、今は名物の牡丹の花が散ったばかり、紫陽花にはまだ少し時間がある・・・と言うわけで、境内の彩りはやや寂しく、欲張りな観光客には不満だったのかもしれません。

長谷寺の特徴は399段の階段を擁する登楼と舞台のある本堂。
それらしい雰囲気を求めて描いたのがこれ。
かすかに見える登楼の屋根、鐘楼、そして正面の本堂。
緑に包まれながらも、屋根の甍はきらりと輝き、どれも存在感たっぷり。
人気の秘密は牡丹だけではありません。