2011年1月30日日曜日

風見鶏の家 その2

以前、この「風見鶏の家」を隣の北野天満神社の境内から見下ろして描きました。
屋根上の風見鶏は神戸の良さを十分に堪能させてくれましたが、重要文化財であるこの 家の価値はやはり正面から描かなければわかりません。
完成は明治42年。設計者はゲオルク・デ・ラランデというドイツ人建築家です。
煉瓦の存在感と軽快な木造アーチ窓の組み合わせが絶妙です。
外壁の色は明るい茶色でバックの山によく映えます。
内部の2階から見た神戸の眺望も抜群。
観光客の人気が高いのもうなづけます。

2011年1月23日日曜日

成田山 仁王門

参道の坂道を下っていくと、総門があり、それをくぐるとこの仁王門があります。
いつもなら、参拝客がひしめく場所ですが、幸い早朝であったためか、人はほとんどおらず真正面からじっくりとスケッチすることができました。

その名にふさわしい堂々とした姿ですが、思ったほど威圧感はありません。
周りの木々につつまれて屋根の大きさが見えないからでしょうか?
あるいは林の緑と屋根の緑青がぴったりなじんでいるから?
それとも赤い大きなちょうちんが可愛らしいから?
子供達はなんとなくその雰囲気を感じているのでしょう。 仁王様に臆することなく、その下ではしゃぎまわっていました。

江戸時代から庶民に親しまれてきたこのお寺の人気の秘密はこの「親しみやすさ」にあるのかもしれません。

2011年1月16日日曜日

成田山の参道

「成田駅」は言うまでもなく成田空港の玄関口ですが、江戸時代から続く成田詣の参拝客のための駅でもあります・・・と、さりげなく説明文を書けば良いところですが、実は千葉県をほとんど訪れたことの無い僕は、この二つの「成田」が同じものであることを知りませんでした。

改札を出て、「成田山への近道」という立て札を発見し、初めて自分の愚かさを悟った訳です。
さらに無知を告白すると、成田山と言えども「きっとほとんど戦争で焼けてしまって、今は普通の商店街になっているに違いない」と思い込んでいました。
しかし行ってみると大違い。
「うなぎ」「割烹」といったのぼりや看板を掲げた古めかしい建物が細い坂道にずらりと並び、今にも江戸から来た参拝客がそこから飛び出してきそうです。

そしてこの猥雑な空間を下った先に、木々の間から神々しい伽藍が姿を覗かせています。
信者でなくとも、お寺に向かって思わず駆け出したくなるような・・・この参道にはそんな魅力があります。

2011年1月9日日曜日

冬の兵庫県公館

本格的な冬の訪れです。
それでも、この日の気温は少し高め。貴重なスケッチ日和に感謝して、再び兵庫県公館を訪れました。
前々回描いた日銀大阪支店の「いちょう」のように、この兵庫県公館にも冬の顔があるに違いないと期待したのですが、残念ながら周りは常緑樹ばかり。
緑の青い影が寒さを強調しています。
それでも、せっかく来たのだからと、気を取り直して門の正面に陣取りスケッチを始めました。

すると、近所のおじさんが声をかけてくれました。「今日は、絵を描く人、少ないねえ・・・。」
「この寒さですから・・・」と僕。
「ふーん、絵を描く人は寒さなんか感じないと思っていたけどねえ・・・。」
とつぶやいて立ち去ってゆきました。
この寒空に絵を描こうという連中はやっぱり変人なのでしょうか?

2011年1月2日日曜日

フィットネス

少し前の「青いスカートの婦人」でも触れましたが、一般的にモデルさんはスカートを好みます。
華やかな色、形、素材、光沢など着飾る楽しみがあるせいかもしれません。
しかし、実は我々絵を描くほうにしてみれば、衣装に凝れば凝るほど人物画の面白さから離れていくのです。
その点、今回のモデルさんは、思いやりがありました。
素人絵描き達の意見を聞いてくれ、満場一致でこの衣装が決まりました。
全員、時間を忘れ製作に没頭したのは言うまでもありません。

伸びやかな手足と涼やかな表情がポイントです。運動する女性の穏やかな一瞬が表現できれば・・・と思って描きました。