2008年8月30日土曜日

雨のち曇り

松島といえば「日本三景」の一つ。青い空と輝く海。そして鮮やかな緑の小島・・・・。

絵葉書の写真が目に浮かびます。

前回と前々回、二つのお寺を見た後は、この「美しい風景」をスケッチして帰るつもりでした。

が、ご覧のように今日の天気は雨のち曇り。青い空などどこにも無く、お腹に水分をたっぷり溜めた雨雲が空を覆っています。ただし太陽は雲のすぐ上で、熱を発散し、その蒸し暑さはご想像のとおり。

いかに松島と言えど「晴れていなければ海は青くない」・・・あまりにも、正確な事実でした。

2008年8月24日日曜日

円通院の庭園

前回取り上げた瑞巌寺のすぐ近くにこの円通院の庭園があります。

庭園の中心は杉の巨木と苔そして重要文化財の三慧殿(さんけいでん)です。
ここには京都のお寺にあるような、枯山水や池、借景などの精妙な工夫や技はありません。
しかし東北地方らしい豊かな自然を背景とした空間は、計算された堅苦しさのない、すがすがしい、落ち着いた独特の庭園になっています。

いつもの僕ならば、建物を中心にスケッチをするのですが、今回は自然の風景ばかり・・・
絵の題材は、頭で悩まなくても、その土地の魅力が決めてくれるようです。

2008年8月17日日曜日

杉木立

去年の夏も暑かったのですが、今年はさらに暑いとか・・・そこで今日は涼しげな杉木立のスケッチを載せます。

場所は仙台から電車で30分、松島瑞巌寺です。東北地方とはいってもやはり夏、たどり着いた頃は汗びっしょりです。
国宝の本堂が有名ですが、暑さに閉口した僕にとっては残念ながら、参道の杉木立のほうが何倍も魅力的でした。

まっすぐ立ち上がる杉と網のように天空を覆う枝と葉。隙間から真夏の空気が逆光となって漏れてきます。
地面には一面の苔。薄緑色が疲れた体と心に染み渡ります。

2008年8月9日土曜日

浴衣の婦人


もう20年以上前のスケッチです。
当時「木曜会」と称し、絵の好きな連中が毎週仕事を(無理やり?)終え、集まっていたのです。モデルは仲間内で探してお願いしていたのですが、この日は、いつもと違って浴衣姿。・・・「日本の美」の崇拝者である僕の創作意欲は俄然刺激され、このとき頑張って4枚もスケッチしてしまいました。

快活で、きりりと引き締まった表情が和服と良く合います。僕の好きな時代小説「御宿かわせみ」に登場する、るいさんはきっとこんなイメージにちがいありません。

2008年8月3日日曜日

京都国立博物館その2

前回は門だけで話が終わってしまいましたが、もちろんお目当てはこの本館です。
そして片山東熊先生が門で魅せた技の冴えは当然、本館でも健在です。
両翼の列柱と3つのドーム屋根の構成は威厳があり、さすがと思わせます。
庭は広々としたヨーロッパ風の庭園でまさに宮廷の風格があります。
内装もきっと豪華ですごい・・・と期待しましたが、残念ながらこの日は内部は見られませんでした。きらびやかな宮廷生活を想像する楽しみは次の機会に譲ることにします。

この博物館にはもうひとつ楽しみがあります。本館の裏手に「堪庵」という茶室があり、うれしいことに一般公開されています。
ルネサンス様式に圧倒された後は、自然と一体となった数奇屋の空間を歩く・・・和洋の上質なデザインを同時に味わう、こんな贅沢を皆さんもぜひお試しください。