2017年9月18日月曜日

夏を描く

暑かった夏ももう終わり。夏の間に描いた作品をいくつかお見せします。
今日のモデルさんの装いはノースリーブのワンピースにショール。ちょっと脚を投げ出して開放的な雰囲気。
いつものように鉛筆でデッサンしたのち、薄めの水彩で着彩。(デッサンのプロセスを復習したい人は以前のブログを参照してください。基本は同じです。)
さて改めて全体をチェック。女性はイメージ通りに出来上がりつつあるのですが、背景はいつものアトリエのまま。せっかくの夏の装いが台無しです。そこで背景を夏らしく工夫することにします。どんな背景がふさわしいと思いますか?
僕の案は来週に。みなさんも考えて見てください。

2017年9月11日月曜日

貧しき武家

 
 角館に現存する主要な武家屋敷はどういう訳かすべて城下町メインストリートの東側に並んでいます。西側は道沿いに塀だけは修景されているものの、その内側は空き地であったり、現代的な公共施設が建っていたり、見るべき保存建物は残っていません。なぜなのでしょう?
  その理由はどうやら町の区割りにあるようです。資料によれば東側は家老級の武士に、西側は足軽の住居に当てられていました。つまり西側は「貧しき武家」のゾーンだったのです。おそらく彼らには家屋や土地を維持するだけの意思も財力も無く、明治以降の時代の変遷にその運命をゆだねてしまったのでしょう。
 でも実はそのゾーンに一軒だけ残っている家がこの「松本家」です。当然立派な塀や門は無く、正面にあるべき来客用の入口もありません。屋根は石を置いて葺き材を押さえる民家方式。家屋の回りは庭園というより菜園スペース。空を覆うほどの大樹など植えられるはずも無く、屋根の上には夏の入道雲が広がっています。
  角館最後の一枚は身分差の厳格な武家社会のスケッチでもあります。

2017年8月23日水曜日

樹間の大屋根



青柳家のすぐ北側に建つのが「石黒家」。青柳家と同様に格式の高い屋敷です。
脇に覗き窓のついた立派な門はその証。さらに目を引くのは大樹の間から見える大屋根。その巨大さは、茅葺屋根ゆえの急勾配によるものと理解はしているものの、いや、ひょっとしたら他の屋敷より目立ちたくてわざと勾配をきつくして棟の高さをあげたのかも・・・などと邪推してしまうほどです。

2017年8月9日水曜日

武家の蔵



城下町の特徴であるマス形(敵の襲来に備え、城までの見通しを悪くするため、道をわざと曲げた交差点)を超えると見えてくるのが「青柳家」。
角館の武家屋敷群の中でも格式が高い家で広大な敷地内に今なお多くの建物が存在し、一部は博物館として公開されています。
母屋はやはり道からは見えず、唯一、蔵だけがその姿を現しています。元々は「文庫蔵」とよばれる重要書類を納める倉庫だったようです。蔵は家の品格を現すシンボルなのでしょう。北国の大雪を載せ、軒を支える頬杖はリズミカルで意匠的。すっきりとした持ち送りのディテール、扉周りのシンプルな装飾など全てのデザインがこの家の品格を伝えてくれます。