2018年4月15日日曜日

海外スケッチ旅行にでかけよう ドイツ編 その1

  海外スケッチ旅行、ドイツ編です。前回のスペインで多くの教訓を得ました。そのひとつは欲張らずなるべく宿泊地の数を絞ること。スケッチを目的とする者にとってスーツケースを抱えたまま都市間移動と宿泊を繰り返すことは大きな時間的、精神的ロスになります。もう一つは渡航季節。飛行機代の安さにだけで決めると後悔しますよ。ヨーロッパの3月は寒くてスケッチには不向きなのです。
 そこで今回は原則同じホテルに3連泊してそこを本拠地に移動することに。ホテル到着日と出発日が雑事でつぶれても中2日はスケッチに充てられるからです。そして季節は暑くなる直前の7月初旬にしました。これで今回は安心完璧なスケッチ旅行間違いなし!?
 さて初日。フランクフルト空港に夜到着し、そのままマインツに移動。ここで3連泊します。狙いは世界遺産ライン川沿いの古城スケッチです。普通の観光客ならば当然ラインクルーズでゆったりワインをいただきながらお城を眺めるのですが、絵を描くために来た僕にはそんな優雅な時間はありません。列車でまっすぐトレヒティングスハウゼンへ向かい急ぎ足で丘の上のライヒェンシュタイン城を目指します。
 本当は下の道からまず丘の上にそびえる城の勇姿をスケッチしたかったのですが、この日はあいにくの雨。濡れずに描ける場所が見当たりません。とりあえず城内で雨濡れずに描けるいい構図を探すのですが、やはりそんな都合のいい場所はありませんあせってあちこちうろつくこと2時間。やっと空が明るくなってきた頃すばやく描いたのがこの一枚。ライン川と城塔のマッチングはさすがに世界遺産。悪天候のせいで空も川もグレーっぽく沈んで見えますが、中世の城には実はふさわしいのかもしれません。

2018年3月25日日曜日

青衣の婦人

 皆さんはフェルメールの「青衣の婦人」という作品をご存知ですかタイトルの通り衣装のブルーを基調とした画面は落ち着きがあってさすがフェルメールと思わせます。前回描いた「紫色のベレー帽」が僕にとって「すんなりと」仕上がったのもやはり落ち着いた青の色調が腑に落ちたからです。
 さてそこで今回。ご覧のように服の模様は大柄で色は派手でカラフル。青で画面を統一する手はもう使えません。でもこんな大胆な色彩も女性ならではのもの。そう考えると案外面白い絵になるかもと、気分を変えてチャレンジしてみました。
 上図が着色前の下書きですが、ちょっと一工夫してあります。いつもは人体の影までを鉛筆で描いたら、色を濁らせないように服の模様などは白地に直接着彩することにしています。でも今回の服の色をそのまま塗っていくと派手な色対比が目を引きすぎて人物に焦点が行かなくなってしまいそうです。
 そこで仕上がりが落ち着いた画面になるよう、どの色にも鉛筆の濃淡を施しておきます。ブルーの部分は赤よりも濃く、白とグレーの部分も合わせて濃さを調整します。そして服の襞の影も全体を見ながら濃さを調整します。「そんなの当たり前!」と言う方自分でチャレンジしてみてください。濃淡の諧調が何段階も増えることになるので結構大変なのですから。
 ここまで下書きを終えた後に着彩したのが最初の絵です。かなり派手な赤や青を塗っても大丈夫。下にある鉛筆の線が画面全体をうまくグレー調にまとめてくれました。

2018年3月17日土曜日

紫色のベレー帽



振り返ってみると、このブログで人物画を取り上げるときはいつも苦労話ばかり。
もたまには、すんなりと仕上がるときがあるのです。どんな時かって?
そう、例えば・・・、
このモデルさんはいつも笑顔が可愛らしい。
服装は余計な飾りが無くシンプルで趣味がいい。
うすい青緑のトーンでまとめたカーティガンとスカートの色調は清潔感があってよく似合う。
胸元の襟とベレー帽だけ紫色。にくい配色。
僕の感性にぴったり。
あとはそれに合う背景を考えるだけ。
ちょっと赤みがかったブルーの壁紙。左側からやわらかい光が差し込んでいるように。
・・・というわけで完成。
いつもこんな風に悩まずに仕上がるといいのだけど。

2018年2月24日土曜日

台湾 三峡老街

このブログで取り上げた「迪化老街」「西螺老街」など、何気なく目にしていた台湾各地にある「老街」という言葉。GOOGLEで調べてみると「清朝あるいは日本統治時代に造られた街並みのこと」と記されていました。特に商業施設の街路に面した一階部分をアーケード状に統一するデザインは当時の日本の台湾総督府が定めた様式だそうで、実は日本と関係が深い単語だったのです。
台湾各地にある老街のうちいくつかは日本の「重要伝統的建造物郡保存地区」に似た制度指定を受けて地域の振興に取り組んでいるようです。前回取り上げた「西螺街」は残念ながら建築デザインの保存にはあまり熱心ではなかったようですが、ここ「三峡老街」はほぼ完璧に日本統治時代の姿が保存されています。
煉瓦と石で統一された外壁、窓まわりのアイアンワーク、なにより連続する華麗な棟飾りは見事で、これならば「中華バロック」と呼んでもおかしくありません。もちろん老街の形式にこだわり、街路に面した1階はアーケード形式になっています。
この日はちょうどコマーシャルフィルムの撮影中。華麗なバロック(?)衣装をまとった台湾美女がこの「老街」に寄り添う姿がとても印象的でした。