2017年5月22日月曜日

船大工の町 宿根木 その3


鋭角に交差する道で切り取られた変な敷地。普通なら使い物にならないこの土地も、ここの住民の「建てたい!」という切望の前には何の障害にもなりません。だから三角形の敷地に沿ってこんな家が出来てしまいました。きっと使いにくいだろうなと思いつつも、この奇妙な構図は実にアーチスト好み。僕と同じようにどこかで誰かが眼をつけたに違いない・・・そうです。僕がこのスケッチのを完成させる前に、同じ構図を背景とした吉永小百合さんのテレビCM(JR東日本放映、残念ながら関西の人は見られません)があったとのこと。見覚えありますか?

2017年5月18日木曜日

船大工の町 宿根木 その2


如何に濃密に家が建っていると言っても、町はやっぱり人が住むところ。最低限のプライバシーが必要です。

狭い道に面した窓の大きさは控えめに、かつ1階も2階も 一行く人に覗かれないよう格子で覆います。江戸時代の人々は環境に対する意識が高かったと言うのは有名な話。だから当然、家の壁板は船の廃材を利用します。茶褐色の色と厚板の重厚な質感、軽快な格子窓。統一された街並みのデザインはこうして決まったのです。

2017年4月30日日曜日

船大工の町 宿根木(しゅくねぎ)

佐渡島の宿根木を訪れました。どんな町かちょっと紹介を。

江戸時代、当時世界最大の都市であった江戸の民を飢えさせないために整備されたのが河村瑞賢が整備した西回り航路でした。しかし一方で当時はまだそんな大量の米を日本海の荒波を越えて、東北から江戸まで迅速に運べるような船はなく、新たに大型船を一から設計する必要がありました。そしてそれを実現したのがこの宿根木の船大工達だったのです。


さてさっそく町歩き。まず世捨小路と呼ばれる路地に足を踏み入れます。あまり陽の入らない薄暗い道の両側に2階建ての建物がびっしりと並びます。息がつまるような空間を奥へ奥へ。このまま空は何処かへ行ってしまうのかと心配になった頃、突き当たりの崖の上 にポッカリと青空が。空の青さが目に沁みました。

2017年4月16日日曜日

チャイナドレスの人物を描く その4



 チャイナドレス編いよいよ最終回です。前回はチャイナドレスの華やかさを出すための、全体の色付けの方針を確認しました。今日の狙いは全体に色を濃くして、絵の存在感を高めることです。
 まず背景。遠景の森は薄いブルーで軽く塗っただけでしたが、緑を濃くします。ただしヴィリジアンのような鮮やかな緑を塗ると人物よりも目立ってしまいます。今回はサップグリーンを中心に、川の反射光を受けるので少し紫色を混ぜておきます。
 次に川。反射する波がポイントなので、例によってマスキングインクで明るい部分をマスクしておきます。水面に森やお堂の暗い映り込みを描きこんだ後、インクをとって明るい部分に波を描きこみます。
 同様に手前の草もあまり克明には描きません。。細筆でぼかし気味に草の流れを描き込みます。アクセントに花がほしいのでやはりマスキングインクを使い、最後に花の色をのせます。
 そして足元の材料。実際にはアトリエの床はビニルシートでしたが、それでは雰囲気が台無しなので今回は石畳に変更します。石の材質感がでるまで何度も重ね塗りしましょう。
 さてこうやって背景を描きこんでいくと、前回一通り塗ったチャイナドレスの赤が薄く感じられてきます。そこで全体のバランスを見ながらもう一度バーミリオンを重ねます。服の明暗を損なわないように注意深く塗ってください。最後に人物の明暗をチェックしてあごの下、胸の下、服の皺、ドレスのスリット部分など一番濃い部分にもう一度影を入れて完成です。
 この絵のタイトルは中国らしく「山紫水明」としました。再来週からの僕の個展に出品します。もっと詳しく絵について語りたいという方、是非個展にご来場ください。お待ちしております。

追伸 個展情報を再掲します

加藤美稲水彩画展
日時 2017年4/27(木)~5/2(火) 11:00~19:0
場所 茶屋町画廊 chayamachi.com/gallery-guide/map.html